転院の真相。
繰り返すが「主治医が嫌い」とか「治療方針が気に食わない」などという
後ろ向きな理由ではない。
事の発端となったのは、母親に薬を取りに行って貰い金をよこせと言われた
ことだった。前ならばそんなことは言わなかったのに、急に言い出して
非常にむかついてケンカしたのであった。両親から攻め立てられたので
メチャクチャ嫌だった。
こんなことで無駄な労力を使いたくないので、転院することに決めた。
両親は表面上のことしか見ようとしないのだ。
俺は言っておくが、好きで病気になったわけじゃない。
地元は心の健康対策では10年遅れていると言ってもいいくらいである。
地域エゴで「精神疾患=キチガイ」という偏見がはびこり、まだまだ
クリニックに行くのに周囲の目を気にせざるを得ない状況にある。
それでも俺は、地元に転院しなければやっていけなかった。
殺人的なシフトの中で、休みをやりくりして予約を入れ札幌の病院まで
行くのは心身ともにこたえた。
今度は、心理的負担は減りそうなので、少しは安心している。