草若と喜代美の思いは…。

草若は今もなお入院してますが、喜代美は夫の草々に小浜時代の苦々しい
思い出を語っていました。



これは俺も何となくわかります。



顔立ちが端整なだけで有利になったり、勉強がやたらと出来たり、小ズルイと
いうだけで先生に取り入ることが出来たりという人生とは正反対に、マジメに
生きてきた自分は、割りを食ってました。



だから、喜代美の気持ちもわからんでもない。



清海が化石をもっていただけで、教員やマスゴミがやたらと取り上げたりする。
「注目されるのは苦手やから」と笑みを浮かべながら謝罪する清海をかばった
喜代美は相当つらかったろうなと思う。



草若にしても、妻の死期が近いというショックで高座をすっぽかしたのも
あったが、好きな落語が出来ない悔しさは口では言えないくらいかもしれない。
俺も草若の気持ちは何となくわかる。