Issueおじちゃんの新・ダメおやじ日記

自分の発達障害や日頃考えていることを綴って行きます。

アンチテーゼとして一石を投じる書籍数点

まず「目にあまる英語バカ」を紹介します。勢古浩爾さんは、かつて洋書の取り扱い
会社に勤務していたそうですが、日本人が抱く外人コンプレックスや偏狭なメンタ
リティに辟易したようです。



彼もまた英語を勉強し続けてきた「英語バカ」だったと公言していますが、彼のいう
英語バカとは、英語学習に狂奔するあまりに、瑣末なプライドに固執したりする人間
のことをさすとのことです。



無論、自分も英語バカであるが、日本の英語教育という大量生産工場に押し込められ
てきてからは、人間性を蔑ろにしてきたのではないかとすら思うこともある。
このことは作者も巻末で触れています。



作者は英語を勉強するなとは言っていますが、自分の人生でどう英語を使っていくか
がはっきりしているのであればいいとしています。



日本人が英語が下手なのは、必要に迫られないからということも言っている。
あと、日本語の教育を置き去りにして外国語教育に狂奔するのはよくないと
明言しています。



英語への考え方を問いたいときには読んでみるといい一冊です。

目にあまる英語バカ

目にあまる英語バカ

次は「ニートって言うな!」です。これは本田由紀さんら3人の編著ですが、中には
大学院生の方もいて本格的なアンチニート論を展開しています。



イギリスが定義づけたNEETと、日本政府の定義のニートはまったくかけ離れたもので、
これがかえって偏見やまちがいを呼んでいるのだと思います。ニートの定義の時点で、
細かい無職層の分析にまで至っていないというのが彼らの見解です。
自分ももちろん賛成です。



これだから、ニートというカタカナ語をカッコつけて使うバカが跳梁跋扈するし、
「オッス、オラ、ニート!」という芸風で売り出す芸人も出てくるのだと正直怒って
います。何でもカタカナ語で片付ければ済むという根性が許せない。



若者自立塾が、体育会系会社がひしめく社会に適応できず、無理矢理農作業を
またやらされたことで、余計にひどくなったという事例も紹介しています。



しかも、これは厚生労働省の事業の一つだから、国挙げてのゲットー幽閉みたい
なものかもしれません。本来なら、療養し、少しずつ訓練して、社会で居場所を
探す手伝いをするのが筋ってもんでしょ。幽閉して使い物にならなくしてどうする。



本来は、社会単位での支援も必要な状態にもかかわらず、十把ひとからげに、
不安定な身分な奴らは本人が悪いという責任転嫁振りには非常に許せないものを
感じるのは俺だけでしょうか?いかにも本人の努力は不可欠かもしれませんが、
何でもかんでも本人のせいにするというのはやりすぎな観があると思います。



日本の雇用政策は何か場当たり的なものを感じます。
となると、自分らもそこを突いてやるしかないと思うとやるせなく感じるの
ですが、いささか感傷的すぎますかね。状況が変えられないとしたら、
それも辞さないという考えも浮かんで当然です。



方法としては、スキルを身に付けて派遣で食べていくか、事業を興してあらゆる
制度を使って生き残っていくか、資格を取って4大福利厚生のある非正規雇用
などから成り上がっていくかなどですね。
これは、前から俺が周囲の皆さんに言われていることなんですけど…。



ニートということばに不愉快な思いをあなたも、ニートの状況に関心のある
あなたも是非読んでもらいたい一冊です。新書なので夏目一枚もいりません。

「ニート」って言うな! (光文社新書)

「ニート」って言うな! (光文社新書)