お前らも俺と同じなんだ。
リボンもつけず、胸もはだけそうな格好をし、化粧もけばけばしい女子。
髪をボンバヘにし、服装もだらしのない男子。
こいつらはいつも俺に食って掛かる。少しのほころびを突いて、アヤぁ
つけたがる。正直、身内なら三角締めで落として脱臼させてやるところだが
暴力でねじ伏せても、その不満はどこかで爆発するだろう。
彼らが自分の学校を愛せず、世をすねている様に俺を見た気がした。
公立高校にいけなかった失望感、中学校の勉強でどうにもならない劣等感、
俺が抱いてきた感情をこいつらは抱いてきているのだと思うと、何もして
やれない自分がふがいなく、腹が立つよりも悲しくなった。
横行するいじめ、諦めの青春を送る生徒の心、ちっぽけなプライドで劣等感
に負けないように自我を保とうとする心…これらを見ているうちに、俺は
言い知れぬ悲しさを抱いてしまった。
本当にみんな、すまない。
こんなダメな教師で、何もしてやれなくて。
俺は一体何をしてやれるのだろう。
卒業してしまえば、俺はお前らに何もしてやれなくなるんだぞ。
今のうちに、いい加減気づけよな。