辛いことばかりだけれど
今日、むすびめの院長先生より返信がありました。要約すると「力になれない」ということでした。患者の生活に根差した診療が基本方針とのことですが、てんかんは専門外でそれを診る機械すらないという状態でした。
本当はガックリきていますが、丁寧な御説明をいただいたので、こちらとしては何も言うことはありません。発達障害当事者の心の闇に光を当てようとする医者がいるとわかっただけでも、俺は安心できました。今の主治医には引き続きお世話になるので、それを次の診察日に伝えようかと思います。
発達障碍者がこうむる様々な被害
近年、発達障害というものがクローズアップされて以来、当事者の受け皿を標榜する施設が増えてきたように感じます。
今月1日のJDDネット年次大会では、むすびめ院長先生をはじめ、他施設に勤めるPSWの方などが発達障碍者の厳しい現状を語っていました。
本人の意思を無視して、家族と医者で生命保険等用にカルテを作成してしまい、それが独り歩きしてしまっているという事態も発生しているわけです。
さらに、今まで統合失調症と診断され、蓋を空けてみれば発達障碍者だったという事実にパニックになって二次障害で入院してしまったという事例もあります。
確かに統合失調症の陽性型の症状と、発達障碍者が持つ多動性などは共通する部分はあるのかもしれないし、診断は難しいともよく聞きます。何年も統合失調症用の薬を飲んでいるけれども、なかなか効かないというのが典型的な例です。
この事実は、当事者である元東京大学の片岡氏も指摘していることです。彼もまた今まで統合失調症と誤診され、後にアスペルガー症候群と診断がつけられました。
発達障害の早期発見・療育が叫ばれる中で、先に説明した事態は実に危ういものだと思います。一歩間違えれば、誤診されたり、カルテが独り歩きした状態で、発達障害から生じる問題解決の経験値が溜まらないまま成人する恐れがあり得ます。
人間は同じ失敗を繰り返して成長する生き物だと、伊集院静さんは言いましたが、医学の失敗で苦しむ被害者の救済も忘れずに行ってほしいと切に願います。それが政府や医療関係者が唯一できる謝罪ではないでしょうか。
発達障碍者手帳を作れとはいいません。しかし、精神障碍者の雇用を義務付けるのなら、発達障碍者もなぜ義務付けないと疑問に思うのです。