Issueおじちゃんの新・ダメおやじ日記

自分の発達障害や日頃考えていることを綴って行きます。

自慢話をしないこと

自己啓発の本やウェブサイトなどで見かけることばの一つで、「自慢話をしないこと」があります。これは、自分が自慢話を相手にすることで、相手に対する優越感を充足させる意味合いです。つまり、自分が劣等感に苛まれていることの表れです。

劣等感に苛まれている人は、同様の人を寄せ付けます。例えば、自慢話をよくする人がいれば、その人にすり寄る人もまた劣等感に苛まれているし、その人に反発する人も劣等感を刺激されているわけです。ここで出てくるのは、不健全なパワーゲームだけでしかありません。人に言ってもらうか、自分で俯瞰してみるなどして、その異常性に気づくしかありません。

幸福自慢も不幸自慢も、人への劣等感に苛まれ、優越感を充足させたいというアンビバレントな心理が、根底にあります。

通所中の施設にも、どや顔かつ大声で幸福自慢をする人がいました。

「俺は自分でウェブサイトやっててぇ~日銭を稼いでんだよねぇ~(ドヤッ」

それだけならいいが、ヤニ臭くて格好も実にガラの悪いもので、見ていてみっともないったらありゃしないの一言でした。当時は彼にムカついて反発したものでしたが、今は会うこともないので、偶然会ってもそれなりに距離を置く程度です。

自分の場合、どちらの自慢もしてきました。どんなに自分が恵まれた存在か知らしめたい。どんなに俺が不幸な存在か知らしめたい。…そんな不安定な心理の狭間を揺れ動いてしまいます。今でも、その傾向があるので、どうにか気を付けていきたいと思っています。

最初は「不幸自慢するな」と言われて、俺もムカついていた時期がありました。あとあと、それも正しいんだなと気づき、考えを改めた次第です。

自慢話でも、しつこくならずに周囲が和む程度のものならいいと思います。「知り合いがおいしいお店をやってるから、今度みんなで食べに行かない?」という具合なら、みんなで幸せを共有できますよね。同じ幸せでもみんなで分け合えば倍になるものであれば、分け合ってもいいのではないでしょうか。

ただし、自分だけの幸せは忘れないで下さいね。

発達障碍者の受け皿としての職業、そして新しい職業意識

一般的には今まで発達障碍者は全人口の1%とされてきましたが、現在もはっきりした数字ははじき出せていないようです。文部科学省が、特別な支援や配慮を必要とする児童生徒が6%いると推計値で出したくらいです。

三丁目の夕日のように、高度経済成長と言いながらも、まだまだ近所づきあいがあった時代は、発達障碍者にも特別な支援や配慮などは受けなくても済んだ人はいたと思います。

発達障害者が就職する職業で言えば、研究職や公務員が多かったのではないでしょうか。

発達障害を持っていても研究成果が優秀なら、職を続けることができました。しかし、ノーベル化学賞を取った山中伸也教授の時代になってくると、予算確保や他の研究者を率いていくためのリーダーシップが一層問われることになり、シングルタスクではたぐいまれなる才能を発揮する発達障碍者は余計に弾き飛ばされてしまいます。

公務員は懲罰やリコール請求などがなければ、無事定年までやり通せます。シングルタスクをやっていればいい時代から、マルチタスクなどを特に求められるようになると、発達障碍者の公務員は閑職に追いやられるか、居場所がなくなって退職せざるを得なくなります。

この話は、ある公務員の方から聞いたことがありました。ハローワークでも、自らの特性や障害を知らずに、周囲の職員や利用者に不快な思いをさせてしまう職員もいたそうです。

発達障碍者は、概していえばペーパーテストは群を抜いていても、面接での選考基準がユルい時代は通ってしまいました。現在では、採用者側が比較的アンパイを確保したがるので、ペーパーで残っても、面接で疑問符をつけられたりして落ちることが多いです。

俺の考えとしては、「発達障害」というラベリングがない一方で、成果を出していれば何も言わないというのもどうかと思います。また、不況でなかなか成果が出せない時に、当事者やグレーゾーンの人間を捕まえて、「テメー、発達障害だからって逃げんじゃねーぞ!」とすごむのも間違っています。

大切なのは、発達障害を持っていても、どう働きたいかではないでしょうか。発達障碍者も、工夫すれば出来ることはたくさん出てくると考えています。

研究者であれば、予算の折衝などコミュニケーション能力を問われる部分は、他の人にやらせて、本人には研究に専念してもらう。公務員であれば、対人サービスのある部署を避けて、できれば作業が複雑ではない部署に配置するなどできるかと思います。

基本的に発達障害者には、対人サービスなどの感情労働と言われるものは無理とも言われていますが、業種によっては無理ではないものもあります。

テスコプレミアムサービスの石井京子さんは「ADHDの人は自分の興味のあることを教える能力は高いんですよ。家電売り場の接客なら自分の知っている知識で接客ができます」と述べています。(かなしろにゃんこ。「発達障害 うちの子将来どーなるのっ!?」)

本人が入社後に順応していくことが大切なのは言うまでもありません。しかし、もっと大切なのは、少しでも長く続けられる職業と職場の選択を就職前に行い、本人の適性を生かせるような仕事が出来るようにすることです。

Kaienの鈴木慶太さんがデンマーク・スペシャリステルネ社にいた頃、社長からこう言われたそうです。「発達障害者の労働支援が出来れば、たいていの人に応用できる」

鈴木さんや石井さんの試みを参考にして、全国でも発達障碍者の就労支援強化が始まればと切に願っています。