「人間、相身互い」と言うけれど
障害者が集まる施設では、余計に個性がぶつかりやすい状況です。
互いの主義主張がぶつかったりしてもケンカになってしまいます。
そんな状況だからこそ、お互い傷や弱さに向き合い、助け合って
行こうとよく言われるわけですが、ことばが通じない相手に対して
ものすごくしんどくなるのです。
つまり、相手は自分の傷や弱さをどうにかしようと死に物狂いで、
生きているわけです。そういう状況で相手にやさしくしなさいと
言われても、なかなかできるわけがありません。
ましてや自分も支援を受ける側ですから、少なからず悩みや困りごとを
抱えているもので。
例えば、暴言を吐く行為であれば、相手の障害によるものだから
許せと言ってしまえば、相手が障害に甘えるのを許してしまいます。
自分の知る限り、問題を継続して起こす当事者は、障害にどっぷりと
甘えているか、障害が引き起こす問題を解決するやり方を学ばせる
機会に恵まれなかったかなどの可能性が考えられます。
自立のためには、まず周囲の人間と関係を作り上げていかなければ
なりません。自立できた当事者は、人間関係の構築で苦労しつつも、
最後には施設や勤務先を周囲を巻き込んでの自立に成功しています。
某施設の所長さんは「ただ配慮してくれだけじゃだめ。自分でまず
できることをした上で、助けを求めないと」と言っていました。
過去の自分もどっぷりと障害に甘えていました。今でこそまだ修行中の
身ではありますが、少しはよくなったと思います。
自分で何もしないで周囲に威張り散らしたり、都合が悪くなるといい子
ぶる当事者を見ると腹も立ちます。しかし、最終的にツケが返ってくる
のは本人だし、それは本人の問題です。
自分が出来るのは、彼らのような人間であっても、そこそこに話を聞き、
無難な返答をするくらいかなと思います。過去の自分だったらそこまで
思いませんでしたが、今ではだんだんそんな気持ちになってきています。
「他山の石」ということばもありますので、自分も気を付けたいですね。