Issueおじちゃんの新・ダメおやじ日記

自分の発達障害や日頃考えていることを綴って行きます。

再三再四、障害者雇用と就労移行支援事業に物申す!

題名にある話題は前にも触れましたが、なかなか動向が変わらないようなので、懲りずに何度でも言ってしまおうと思います。

障害者雇用にやや付随する話として、過去に説明した事情にも触れておきます。発達障碍者が進学できる場所がなく、特殊教育学校に進学し、本当に進学すべき重度の障害者*1が利用できないという事情に加え、今まで知的障害者を雇ってきた特例子会社に発達障碍者が入ってくるようになってからはそのウェイトは変わってきているわけです。

比較的働ける精神障碍者や発達障碍者が、能力を発揮できずに髀肉之嘆を地で行くような状態であれば、就労移行支援事業自体の存在意義が危ういと俺は思います。政府が、すべての障害者の雇用義務を設けるなどしなかったツケが今来ていると感じます。どこまで行っても、知的障害者身体障害者のウェイトが大きい障害者雇用であれば、正しくすりこぎで腹を切るようなものです。政府は「痛み」を企業や社会福祉法人にばかり押し付けて、自分で身を切る覚悟なんてなかった。こんな覚悟で、「福祉政策を充実させる」などといって、増税競争をやられては甚だ迷惑です。

実績を出せない施設をふるいに掛けようとする動きはまだいいにせよ、障害者の雇用義務範囲を見直さずに、働ける障碍者にいたずらに自己責任論を押し付けるのは、いささかやさしさに欠けます。働けるようになれば、障害者は税金を納めるようになりますよ。働けるのに払わないのなら、ガサイレするなり差し押さえするなりして、強制執行すればいいだけのこと。

就労移行支援事業にしても、なぜそのような分類が必要なのかと思うし、就労移行支援事業所の年限がなぜ3年かがわからない。これは「霞が関文学」というものの一部なんでしょうか?確かに、以下のような条件が同時に揃ったら、ほとんどの人が3年以内に就職できるでしょう。林修先生のことばに一つ付け加えるとしたら、こうなります。

  • 「就労」という目標に向かい、モチベーションを高く持って取り組んでいる人間の集まりやすい施設に通所できていること。(正しい方向)
  • 普段のプログラム等を通じて、仕事をやり抜くスキルを身に着けるための練習量が豊富に確保できていること。(正しい量)
  • 本人もレディネス*2ができていて、雇用側も受け入れ態勢が整っていること(いいタイミング)

この3つを3年以内に満たすのは、非常に難しいです。なぜなら、就労支援の地方格差もありますし、企業の求人数や求めている障害の種類等も絡んでくると、就職できずに期間終了と言うことはよくあるからです。

施設が利用者にできること、利用者自身ができること

どんなに高いモチベーションでやっていても、施設側がゆる~くやっている人間の集まりであれば、当然煙たがられて孤立してしまいます。疑似職場で働くためのレディネスを身に着けにやってきているのに、協力して仕事を進める経験が身に着けられないのであれば、これは明らかに本末転倒です。やる気のある人間が干されて、ゆる~い利用者がノホホンとしているのはどうかと俺も思います。ただし、「こうすべきだ!」と一方的に周囲に考えを押し付けてしまうのはよくないですけどね。

ゆっくりできる場所はあった方がいいですが、高いモチベーションで取り組める場所が極端に限られるのであれば、プログラムのあり方そのものを見直すべきではないでしょうか。利用者たちにできる仕事まで、何でも職員が抱え込んでしまうのも、俺としては少し違う気がします。彼らにまず必要なのは成功経験なのです。やれる仕事があったら利用者に振ればいいんですよ。特定の行事やプログラムの準備だけに限定するのではなく。

自分も施設作りに関わることが出来たという実感があれば、施設での作業の取り組み方も変わってくるはずです。彼らの多くは、自分にできることを見つけたくても、何が出来るのかがわからなくて悩んでいるのです。「職員がやって当たり前」と思ってしまうと、自分がやろうとした時には、そこで思考停止になってしまいます。だからこそ、利用者の一人一人の失敗から学ぶ権利を尊重してほしいと切に願うわけです。

*1:知能や身体、精神に障害を持つ当事者など

*2:ここではライフスキル、社会スキル等を習得し、安定して勤怠を守っていける状態