Issueおじちゃんの新・ダメおやじ日記

自分の発達障害や日頃考えていることを綴って行きます。

「サーカスの象」理論

精神科医の斎藤茂太さんは、自分で自分の能力の限界を決めつけてしまうのは、サーカスの象と同じ状態だと言うことを著書で言っていました。

サーカスの象は、芸を仕込んだり芸を披露している最中に暴れないように、足に鉄球を付けられたり繋がれたりして、調教されています。最初は暴れていた象も、「自分にはこの鎖を引きちぎる力がない」と錯覚してしまって、おとなしくなってしまうのです。これが、能力を決めつけた人がサーカスの象と言われるゆえんです。

俺が言う「サーカスの象」理論とは、支援者などによる障害者への障害固定によって、能力以下の作業をやらされ、次第に社会復帰していく力を奪われていく仕組みを言います。本当は当事者にも鎖を引きちぎって社会に羽ばたいていける力はあるはずなのに、支援者の一方的な都合によってがんじがらめにされてしまうわけです。

この理論の迷宮にはめられた障碍者は、やっぱり多くいるんだなと言うことがネットや現実世界でも理解できました。俺もその一人なわけで。福祉職員の中には、知的障害者に話すような言い方で、あれこれ言われたと言う発達障害当事者もいたというのですから、本当に何やってるんだと職員に言いたくなりました。福祉版「週刊御意見番」があって、皆さんが俺に張本勲さんの役目を与えてくれるのなら、この職員に大喝をぶつけたいほどです。

障害者福祉の変化が緩やかだからこそ、施設によっては世の中の変遷を知らずに、お花畑的思考が当たり前になっているところが多い。ゆえに、障害に関係なくキンタロー飴的支援を繰り返し、そこにはまれない当事者は支援者の三つ葉葵の印籠*1で黙らされ、かつ一方的にアンダーアチーバー呼ばわりされ、伸びしろも潰されていくのかなと思いますよ。利用者をダウングレードさせてどうする。

それが、ドヤ顔している福祉専門職の化けの皮と知ったら、マトモな神経を持つ発達障碍者ならモロトフのカクテル*2を一杯どころじゃなく、ドラム缶ごとぶつけかねません。社会復帰を生業とする彼らが、飯の種惜しさに、障害者の囲い込みをしようとするのをマトモというのなら、この福祉業界自体が自浄作用を失ってるとしか思えないです。どうみても矛盾してますよ。

敢えて言おう。発達障碍者をサーカスの象にしてはいけない。当事者と会社がじゃんじゃん話し合って、働き方や配慮を決めた上で、働くなりすればいいんですよ。彼らの媒体として活躍するのが施設だったりするのに、「社会が~」「あんたのこだわりが~」と自分らの原因追及を放棄しています。そんなドッチラケムードがハロワの担当者にまで伝染していたりすると、結局何の解決策も生み出さなかったりもするわけで。

発達障碍者が野中の一本杉にならざるを得ない福祉のコミュニティって、本当に息苦しいですよ。俺も経験したからわかりますけど、後付けで施設から文句言われたりして悲しいです。結局、得をするのは見えやすい障害者やごね得を得る障害者ばかり。俺のように傍目から見えにくい障害者は、我慢しろなどと言われ、挙句の果てには悪者扱いされて割を食うわけです。そこしか行かざるをえない人間にとっては、針のムシロであることをご理解ください。

*1:彼らが持つ「職権」です

*2:火炎瓶のことですわ。GTAでもそう呼んでます