Issueおじちゃんの新・ダメおやじ日記

自分の発達障害や日頃考えていることを綴って行きます。

初めての当事者発表

昨日は実践報告会で当事者Aとして、発達障碍者が見たことや経験したことを語りました。座談会の司会者がリードするインタビュー形式で進行して行ったとはいえ、時間配分も考えてしゃべらないといけないから、結構時間には気を遣いました。自分の生い立ち、これからの目標、人間関係、支援者に求めることに至るまで、余すところなく語ってきたと自分では思っています。

実は…前日まで、発表の事を考えていて、ずっと寝れませんでした。それでも、堂々としていて声も通っていたというのが、見に来てくれた両親や支援者、元カノ、座談会メンバーの共通した感想でした。司会の方は「この人は座談会では前向きなことしか言わないんです。こうして後ろ向きなことも含めて語る姿は初めて見たくらいです」と俺の人物評を言っていたので、就労支援施設と生活支援センターの施設長らが異口同音に「ホントですかぁ?」と俺を冷やかしていたくらいでして。

本当は主催者側と飲む予定でしたが、自分の不注意でメルチェを怠っていて、飲み会の事を知ったのは当日だけに持ち合わせがなく、お断りさせていただき、仲間とホルモン屋で飲むことにしました。元カノも交じっての飲み会がスタートしたわけですが、後から二人合流して、七輪の炎に負けないくらい、熱気も上がっていきました。生まれてこの方、当事者同士で飲み会をやれることすら思わなかったので、筆舌に尽くしがたいほどの喜びがありました。

1次会でお別れとなりましたが、みんなから身体がはち切れそうなほどのパワーをもらって、元カノと途中まで家路についた次第です。

当事者としてご家族、そして福祉関係者にお願いしたいこと。

先日、親の会の方からこういう質問を受けました。「子供の視点から、親にこうしてほしいとか、こうであってほしいということは何ですか?」というものです。

自分は迷わずこう答えました。

「とにかく『失敗をする権利』や『失敗から学ぶ権利』をお子さんから奪わないで下さい。お子さんの行動に本当にイライラすることもあるでしょうが、子供がやる前に親御さんがやってしまったら、俺のようなロクな大人になりません。実際、自分もあまりよくない大人ですが…。とりあえず、お子さんにやらせてみて『パパ、ママ、助けて!』という時に初めて親御さんが出て行けばいいのではないかと思います」

実際、自分の両親は子育てに熱心すぎるところがありまして、俺のグズっぷりに俺がやるよりも先に行動をしていたという有様でした。だからこそ、俺は無能感をこじらせて余計に自尊心がすり減っていったのです。そんな思いは俺だけで十分です。ご家族に発達障害児をお持ちの方は、プロの力を借りてもいいですから、お子さん自らがライフスキルなどを獲得できるように仕向けて行ってほしいと心から願っています。

福祉の世界にも、当事者自らのスキル獲得を阻害する行為を平然とするサイコパス職員はいます。面倒なことは避けたい気持ちはわかるが、それが強すぎるあまり、当事者のスキル獲得を邪魔していないかと言いたくもなるのです。例えば、職員が除雪作業をしていて手伝ったら「利用者の使役」に当たるとしてやらせないというのは、偏狭で行きすぎた考えだと思います。あくまでも、「使役」とは利用者の意思を無視してタダ働きさせていたなどの悪行でなければ、それに当たらないはずですよ。

発達障碍者の場合、ただでさえ偏見や誤解を受けやすいものです。にも関わらず、それを助長しているのが皮肉にも当事者の家族だったり、通所中の施設だったら、一番当事者が浮かばれない。よかれと思って当事者にしていることが、「余計な下世話」にだってなりうる場合があるんです。日本は人情文化とも言えますが、自分と相手の距離感を考える練習をお互いにする必要は大いにあるのではないでしょうか。

人間はどこかしこでルサンチマンを抱いてしまうものだと考えていますが、発達障碍者の場合、家庭や施設で先般説明したことがあると、それをこじらせてしまいやすいのです。家族や施設へ向けられたものが、いつしか社会への逆恨みになっていることだって当然あります。当事者の情念の強さゆえに引き起こす問題等を、もっともっと、ご家族や福祉関係者にも知ってほしいと俺は願っています。某当事者団体が圧力団体だなどという議論をしている場合ではないと思います。今は、団体が親の声をうがった見地で吸い出して国に伝えているかを改めて見直す場にきているはずです。

車両税免除の範囲拡大から広がる福祉の可能性

発達障碍者には車両税免除の恩恵がほとんどなかったと、俺は記憶しています。なぜなら、精神障碍1級にならないと免除にならないし、最低でも精神障害2級までが対象だからです。発達障碍者にはそれ専用の障害者手帳がないために、強引にでも現行法に当てはめざるを得ないと言う姑息的対応が往々にして見られます。

ようやく、自分の住んでいる市でも、精神障碍3級にまで対象が広げられましたが、嬉しい反面怒りを禁じえませんでした。今まで、古色蒼然とした福祉をさもありなんと続けておきながら、何事もなかったかのようにやるのはどうかと思います。ウェブサイトで謝罪文を出すくらいのことはやってほしいと感じます。被害者感情というよりは、少数派としての辛さがあったわけで。

今後、これをきっかけに従来の福祉は少しずつ見直されていくとは考えていますが、少しでも社会情勢や障害者の実情に近づくものであってほしいと切に願っています。