Issueおじちゃんの新・ダメおやじ日記

自分の発達障害や日頃考えていることを綴って行きます。

春はもうすぐ

北海道はまだ春らしい天気は来ませんが、ようやく雪も解け
自転車での往来ができるようになりました。

去年の暮れに入社して以来、心身ともに悲鳴を上げながらも
何とかしぶとく働いています。

仕事帰りにある職員さんのことが気になり、急いで施設に
向かいました。

その人は今日休みでしたが、特に苦楽を共にした職員さんの
一人に会うことができました。

職員の本音

最初は近況報告など平凡な話題でしたが、思い出話に進むと
職員さんが申し訳ない表情をしました。

「Issueさん、私の力不足で本当に申し訳ない」
「え、何がです?」
「あなたの能力は高い。だからこそ、私たちの力も至らなかった
と思ってるんだよね。その中であなたは本当によく頑張ったのでは
ないでしょうか」

この北海道は障碍者雇用で言えば、まだまだ未開拓と言わざるを
得ない。そこを悪しざまに責めて、施設側を貶めたところで、
俺が脚光を浴びるわけでもあるまいし。それで有名になったと
しても「迷惑PDD」として敬遠される上にネットなどでも
コテンパンに叩かれると思います。

昔の俺なら、今よりも意識がムダに高すぎたし、自分の言葉が
他人にどう響くかまで考えずに檄を飛ばしていました。
利用者なら「この野郎マジで殴ってやろうか」とさえ思ったかも
しれないし、職員なら怒りをかみ殺しつつ今できる仕事に集中
せざるを得なかっただろうと感じますね。

今の人生はそれほど満足しているわけでもありませんが、先般
述べたようなことに気づけただけでも意義はあったのではとも
考えています。人との出会いはやはり大きい。

これからの福祉施設に望むこと。

職員の異動は致し方ないにせよ、自己都合で辞める人が出てしまう
のは本当にさびしい。いち当事者として望むことをいくつか述べたいと
思います。

  • 職員の待遇を見直す

福祉職の育成機関があっても、肝心の雇用側が薄給激務でこき使う
上に、人員不足は東南アジアから引っ張ってくればいいなんて考える
のは、どう見ても「トチ狂ってる」としか思えない。

福祉関係の有資格者で何とか一人暮らしできるレベルになっても、
無資格者の職員は安すぎて当たり前というのはどうかと。

必要であればサビ管などを取らせるのもいいが、就労移行支援事業
などの場合は少し緩やかに考えてみるのはどうだろうか。
社会福祉士やPSWの有資格者だけで固めるのは生活支援施設くらいな
もので、就労を目指す場所なら就労支援に特化した資格やスキル、経験を
持っている人材の方がよくね?と思うわけで。

とにかく、給料安いからやめるという悲痛な叫びをガン無視してきた
雇用側はいい加減目を覚ませといいたい。

  • 利用者と卒業生の交流を考える

利用者からしてみれば卒業生に対して「なんでアイツが早々に就職
決まるんだ!」という嫉妬などを感じる場合もある。
また「あの人はもう俺たちと違う」という違和感を感じてしまう人もいる。

学校などであれば、卒業生に対してほかの来訪者とは違う気持ちを抱く
だろうし、丁重に接することだろう。この経験をすることで、コミュニ
ケーションの練習にもなる。部のOBにもコーヒーを奢ってもらったし、
俺も後輩たちにメシを奢ったこともあった。

施設の場合、対人アレルギーにも似た対人面の過敏性を抱く人が多いと
経験上感じてしまう。

施設側も卒業生だからマルナゲドーン!じゃなくて、利用者に貴重な
コミュニケーション訓練の場として職員も場合によっては中に入ることも
行うべきである。

卒業生もさびしいんですよ。勝手が違うところで施設よりも大変なことを
やるわけですもの。仕事やりーの、人間関係うまくやりーのってのもまさに
マルチタスクじゃありゃーせんか。

交流が難しいなら、一度ボランティア講師としてグループワークで少し
話をしてもらえばいいんですよ。卒業生も話を聞いてくれたことで自分に
自信を少しでもつけることができるし、利用者も就労への疑問点などを
解消できる契機を見つけられるかもしれない。

職場見学をしたいのであれば、施設長に電話で交渉してもらってやれば
いい。問題は職場が納得するかどうかだから。利用者にとって必要なのは
施設外の環境に触れること。外の世界に触れさせないのはサナトリウム
刑務所なんかとかわらなくなる、

閉鎖的かつ限定的な人間関係という檻の中でもがいていては、コミュニ
ケーション能力は本当に落ちます。内弁慶就活生のいっちょあがりに
なってしまう。最初は自信なくてもいいから、一度は施設外の環境に
身を置くことをお勧めします。

  • 福祉と資本主義の両立について限界を知る

福祉施設が営利を求めていると、お金は入るけれども弱者に熾烈な環境を
生み出すことになります。

福祉と資本主義と両立することを目指してしまうと、リンゲルマン効果が
生じてしまい、職員と優等生型利用者にサボった奴らの仕事が回り負担増と
なります。サボる奴らは体調の不安定さの場合もあるし、自暴自棄でやって
られなくなってサボる可能性もあります。

これらの両立は無理だと悟っている職員や利用者なら、口に出さずとも
違和感として胸に抱えているのではないでしょうか。
俺が見る限り、そんな施設は虻蜂取らずに終わる場合が多い。

本気で印刷業に参入するのなら、ソフト(人材等)とハード(設備面)を
整え、かつ市場調査をしてどう営業かけて仕事をとってくのかまでも
見積もれなかったら、「どうせ障碍者のやることだからショボいんだろ」
という寸評で終わってしまう。

福祉と資本主義は水と油に近いかもしれないが、一瞬だけ交わる部分
もあるだろう。そこが福祉施設にしかできない「ビジネスモデル」なんだ。

以上、福祉施設に苦言を呈しましたが、今後の成長に期待するが故ですので
ご理解ください。