Issueおじちゃんの新・ダメおやじ日記

自分の発達障害や日頃考えていることを綴って行きます。

就職活動に一石を投じる一冊

光文社新書で「就活のバカヤロー」という本を買ってきた。



企業、学生、就職情報会社が展開する茶番劇を痛烈に指摘しています。



企業は企業で、優秀な人材を取りたいがために、学生を出し抜いてでも、
ふるいに掛けて採用しようとする。



学生は学生で、企業に気に入られようと「求める人材像」を探し出して
演じている。学生同士の「学歴じゃんけん」も特筆すべきことである。



就職情報会社はマッチポンプで情報を操作し、学生と企業を翻弄しようと
している。(翻弄しきれていないとの見方もあるが)



2人の作者による編著だが、さまざまな視点からの説明は、学生以外にも
社会人などにも説得力のあるものとなっている。



慶応大学など3大学による「無意識下での就活」を取り上げ、決してネーム
バリューだけで評価されているわけではないということを説明している。



いかにも、慶応大学の場合は、研究室に卒業生がたずねてくることが多く、
教授らの言うことを聞かない学生でも卒業生の言うことは聞くと言う現象も
起こっている。



もちろん、身近に多く大人がいれば、慶応大学のような環境を作ろうとしな
くてもいいのだが、現実を考えれば自分の身近に関わる年上の人間は、
あまりいないものである。



大学生活でいろいろな体験をして身に付けたものと、就活向けに小手先の
マナー教育を受けるのとでは、違いは明白となる。このような事実もあるから
高偏差値以下の大学をなくせという声が人事の間で飛ぶと思えば、納得もする。



しかし、偏差値の低い地方大学の学生などを十把ひとからげに受けさせないのは、
社会から見ても損失になりうる。さらにプータローやフリーター、ホームレスが
激増することだってある。自然増という生易しいものではない。



確かに、学歴じゃんけんで負けて勝手に自爆した学生にも非はあるかもしれないが、
全くチャンスを与えないのもアンフェアである。



極まれかもしれないが、映画「メジャーリーグ3」のケースだってあるだろう。
ミネソタ・ツインズとその3Aバズの試合だって、監督の采配次第でゲームが
ひっくり返ることだってある。ツインズの選手らが自分らがメジャーであると
過信して認知バイアスを起こし、バズの選手に不意打ちを食らわされるのがいい
例だろう。



短期的に見て、一流大学の学生は基本的にハズレがないかもしれない。
しかし、ハズレがあったら人事に「東大だからいいと思ったのに」と言い訳が
可能になる。企業から見たら、採用こそバクチみたいなものかもしれない。



ましてや俺のような地方四流私立大学の人間となれば、採る側はバクチだろうが
もし採っていただけるのなら、マジメにまず働いて少しでも貢献できるように
したい。不器用だけど責任は持てるように努力します。



就活に不満をお持ちの方には、是非読んでいただきたい一冊です。



就活のバカヤロー (光文社新書)

就活のバカヤロー (光文社新書)