Issueおじちゃんの新・ダメおやじ日記

自分の発達障害や日頃考えていることを綴って行きます。

我が友、しんちゃん

しんちゃんとは学生時代、教職課程で同じだったということに加え、文化系の同好会の
会議でも顔を合わせていたので馴染み深い存在だった。



彼の下宿は高台にある大学から降りて、自転車で10分ほどのところにあったが、大学
付近にある俺の下宿までよく来てくれた。好きな音楽や将来のことなども語り合った。
単発バイトの帰りには、わざわざ夜食にと仕出し弁当の余りを持ってきてくれた。



彼は柔道初段でガタイはいいが、感受性が高く繊細なところもあった。ギターで曲を
作ったり、詩を書いたり創作活動はなかなかのものだった。



四年生で忙しい時期に、卒業アルバム実行委員長となった。後になってわかったが、
彼は孤立していたらしい。委員長は名ばかりで、委員が勝手に製作や編集をやって
いたらしい。これを暴走と言わずして何といわんや。



その証拠とも言えるのが、委員長の写真の扱いである。顧問の先生と楽しそうに肩を
組んでいる写真が左隅に小さくのせられていた。たいていの卒業アルバムなら、
全員でちゃんと集合写真を撮るものである。(病欠で間に合わなかった場合なら、
仕方が無いが、彼らが否定してしまえばおしまいである)



暴走した委員らの集合写真は、カラオケボックスで撮ったもので見ていて自己満足
でしかないと情けない思いを感じてしまう。



"Happy Memories"と銘打った写真は委員らやその関係者らしきものばかりで学校
行事のものは写っていない。自己満足にもほどがあると言いたい。しんちゃんなら
こんなアルバムにはしなかったろうと悔やまれてならない。



唯一意思表示できたのは、委員長の巻頭の一言くらいなものである。



彼は今まで苦悩し、追い詰めてきたが俺よりも真摯に生きているのかもしれない。
バイトを掛け持ちしてでも夢を追い続ける彼の生き方も大変だが、生き生きとして
いるように見える。



演劇や詩のボクシングに勤しむ彼の姿からは、まだ学生時代の情熱をたぎらせている
のが伝わってくる。潔さすら感じるのは俺だけだろうか?



今後の彼に幸多かれ。