Issueおじちゃんの新・ダメおやじ日記

自分の発達障害や日頃考えていることを綴って行きます。

久々にはてな懸賞に参加してみます

俺が記憶に残っているのは、市長表敬訪問の日である。

今の職場に内定が出る半年以上も前、俺はまだ就労支援継続施設B型にいた。
雪も解けつつある3月下旬、俺は放課後もパソコン練習に取り組んでいた。

俺のスマートフォンに一本の電話が来た。
「北海道○○課のAと申します。Issueさんの携帯でお間違いないでしょうか?」
「はい、そうですが」
「実は…お電話差し上げたのは、Issueさんが高校・一般の部に応募した作文が北海道知事賞に決まったという件です」
「えっ、えー!本当ですか!」
「ええ、つきましては、ご応募の際に頂きましたご住所に今回の賞状と記念品をお送りいたします」
「ほ、本当に…ありがとうございます」
この時点で俺は喜びを爆発させて歓喜の声を上げていた。

ミーティング中の職員が何事かという表情で、女性職員が事務室からたしなめに来たが、すぐさま北海道知事賞受賞を
知らせると一緒に喜んでくれた。少し離れた場所でパソコン練習をしていた男性利用者も駆けつけた。
「ちょっと…やったじゃないの!」
「Issueさん、話聴いてましたけど、北海道知事賞ですよね…おめでとうございます!」

その知らせは事務室の職員たちにも伝わり、心から俺の受賞を祝福してくれた。
施設に通っていてしんどいことばかりだったけれど、俺が見た中で一番の笑顔を見れて満足した。

1週間後、北海道庁から件の荷物が届き、早速確かめてみた。
北海道知事・高橋はるみの名前で、俺の作文への栄誉を称える賞状を作ってくれていた。
記念品は、道産の木で作った小さな筆入れだった。

長らくお世話になっている女性職員の存在を作文で明かしたことで、彼女と親しい市役所福祉課の偉い方が
気を利かせて市長表敬訪問のお膳立てをして下さり、3日後に正装して市庁舎に赴いた。
彼女のスーツ姿を見るのも生まれて初めてで本当に新鮮な感覚だった。
入口では管理職クラスの方が待っていて下さって、市長室に行く前に自分らの控室へと案内してもらった。

長らく故郷にいてもこういう機会は一生ないだろうとタカをくくっていただけに、内心腰砕けになっていた。
彼女がそんな自分を笑顔で鼓舞してくれていたので、市長との短い対談も何とかやり通せた。

控室に戻ると、新聞社の記者さんが二人ほど来ており、地方版の記事作製にあたり簡単な取材と言うものを生まれて初めて
受けた。最後は俺が笑顔で賞状を持っているポーズを撮影してお開きとなった。

俺自身が、これを契機に自尊心を取り戻し復活できたのは今でも覚えている。
表敬訪問までは長い道のりだったけど、必要な助走だったと考えるようにしている。