多田野の力投を潰した投手炎上
昨日の試合は、鑑賞に堪えなかった。その中でも多田野、スレッジはよく
頑張ったと思う。新しい札幌限定のチャンステーマ「ジンギスカン」が
非常に新鮮に聞こえた。
北の国からでなじんでいる自分にとっては、少々やりにくくもあったが、
おもしろかった。
7回までは多田野は非常に苦しい中、よく投げたと思う。特にバント処理からの
ゲッツーは大したもの。一瞬の逡巡が傷口を広げる中で、よく決断したのでは。
それに報いるように、スレッジのタイムリーヒットなどで2点を入れて同点に
したのは素晴らしい。稲田も打線好調のリズムに乗れず、苦しめられた。
7回表からの継投策が非常にまずかった。一軍経験の少ない菊地を登板させたのが
運のつきだったかもしれない。HAMの方程式が使えなければ、左投手でそこそこ
経験のある宮西を登板させるなど、まだ方法はあったはずである。
勝算が残されていた試合を放棄していた様子が、選手のやる気を削ぐ格好になった
のかもしれない。代打ででたボッツも不発など打線の再度の不調を見抜かれた。
狸ジジイのノムさんは実に小刻みな継投をしたが、実にころあいが良かったのでは。
先発の一場が失点すると小山や有銘などに交代し、見事なほどのリレーをやって
のけた。ファイターズがイーグルスの継投劇場をお膳立てしたようなものである。
勝因は他にもある。セギノールの2打点である。ホームランをライト方面に放てば
タイムリーで1点もぎ取るという奮闘振りを見せた。
もう彼は「杜の都のセギ様」になりつつある。ノムさんが都合よく打線を組めるのも
利点である。DHにセギを入れ、サードにフェルナンデス、ファーストに山崎武司を
起用して打線にも厚みを出し、渡辺直人や内村を使って塁に出しては引っ掻き回す
ことも可能となる。こういった玄人こそ、野球の妙味を知り尽くした戦略が可能では
ないだろうか。
今の梨田采配は産みの苦しみにあるのは事実だろう。
知恵を出し合うのももちろんだが、一人がムードメーカーになってチームを盛り立てる
必要があるのは言うまでもない。選手会長が戦線離脱気味の中、ひちょりがムード
メーカーになってやっていくのもいい。悔しさも喜びも共有して、チームも一枚岩に
なって行けば、クライマックスシリーズへの可能性は充分にある。